ダイアリィズ イン ヴィエトナム(3)

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2019年9月18日(水)
ホーチミンから船でブンタウへ。
曇りのち土砂降り。

ドミトリィで仲良くなった中国人と朝ごはんを食べる。大学を卒業して就活したが色々面倒になり、とりあえず旅に出ようということでベトナムに来たのだという。ビザが有効な1か月間をみっちり使ってベトナム縦断した後はタイを放浪し、そのあとラオスに渡る予定だと言っていた。

12:00の船に乗るためにサイゴン川の船着き場まで向かう。さぁGrabの出番だ。Grabというのは東南アジアで絶大な人気を誇る、Uberみたいな配車アプリ。Googleマップ上で出発地と目的地を選択して車かバイクかを指定してGrabのアプリに飛ばすと、概算金額と、付近で客待ち中の車両が表示される。そのまま手配に進むとオーダーを受け取った相手のプロフィールが表示されて、今どこにいるかが地図上に表示される。あとはだんだん近づいてくるアイコンを眺めながら待っていればOK。今回はバイタクを手配。車両メーカーと名称、ナンバープレートの番号があらかじめ通知されるので、宿の前に颯爽と現れたGrabのロゴ入りヘルメットの彼がそれだというのはすぐに分かった。よろしくね。オッケー乗ったよ、レッツゴー。見ず知らずのベトナム人ライダーと共にホーチミンの街を駆け抜ける。イワシの大群に混ざった気分。行先は事前に伝わっているので改めて説明しなくて良いのが楽。Grabが定めた単価で運賃も自動計算されるので、事前に交渉したり、ボッタクリの不安を感じなくて良いのも楽。そして目的地に着いた後は、事前に設定しておいたクレジットカードからキャッシュレスで支払いできるので現金を使わなくて良いのが最高。ここ東南アジアでこんなに便利な思いをしちゃって良いんですかって感じ。日本でUberを使ってタクシーを利用する感覚に近い。

船着き場に到着したところで、昨日手配しておいた12:00の船が欠航になったという衝撃の事実を知る。ウソだろ!次の船は2時間後。ゴネても無駄なのでチケットを再発行。次の船まで散歩でもしよかと思った矢先に土砂降りの雨。なんて日だ!完全に船着き場で足止めを食らってしまった。だんだん面倒臭くなってきたので、ふてくされて、併設のバーでビールをオーダー。ホーチミンのクラフトビール。もしかしてベトナムってクラフトビール天国?天変地異のような雨と、ドロドロに濁ったサイゴン川を眺めながらビールを啜っていたら、何だかんだあっという間に2時間が経ってしまった。

30分ほど遅れて到着した船に乗り込む。船内はクーラーがガンガンに効いていて死ぬほど寒い。窓の外は相変わらず雨。デッキにも出られない。備え付けのテレビでは外国人ドッキリ映像集みたいな番組がずーっと流れている。水滴と曇りで透明さを失った窓の外にはドロドロの茶色い水と、向こう岸の重たい森が広がるばかり。時には大型船舶の間をすり抜け、またある時は木製のボロ船を豪快にブチ抜く。ベトナムでは船首に目を描く文化があるようで、ゲイラカイトのような顔の船をよく見かけた。船は1時間半くらいで川から海に出る。それまで全くと言って良いほど揺れなかった船が、転覆するんじゃないかと思うくらい揺れ始める。しぶきで窓の外が完全に見えなくなる。船酔いしやすい人には無理だろうなこの揺れは。予定より1時間近くオーバーして、ようやく目的地のブンタウに到着。ブンタウも雨で、しかも寒くて、何だか一気に力が抜けてしまった。

ベトナム南部の海沿いの街、ブンタウ。宿は小さなドミトリィ。オフシーズンだから宿泊客は自分1人だけだった。宿を切り盛りするベトナム人の若者たちから謎の蒸留酒と、サトウキビと、そしてドリアンを食べさせられる。酒は米から作った伝統的な蒸留酒だそうで、泡盛に近い。でも泡盛より野性的な味。近所の店からビニール袋に直接注いで持ち帰ってきたらしく、袋にコップを突っ込んで、すくって飲む。生まれて初めて食べたドリアンはあんまり美味しくなかった。口の中がドリアン臭。何が果物の王様だ。突然始まったカラオケ大会に巻き込まれ、お前も何か1曲歌えというので、きゃりーぱみゅぱみゅをキメた。凄くウケた。何でそれにしたんだ他にもっとあっただろうポケモンとか!と後から後悔した。

夕飯は街でガッツリシーフード。貝とエビとイカ。カニも食べておけば良かったなぁ。宿に戻ったら、さっきの若者たちが海辺を散歩しに行くよと言うので付いていくことに。毎日夜になるとこうして海辺を歩くんだそうだ。どうして夜か聞いてみたら、だって昼間は暑いじゃん!だってさ。大学を卒業したばかりだという女の子は、この秋に自分のゲストハウスを立ち上げる予定だという。今日の宿の壁いっぱいに描かれた絵は彼女が描いたそうだ。宿ができたら遊びに行くよ、といってフェイスブックを交換した。