ダイアリィズ イン ヴィエトナム(6)

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2019年9月21日(土)
ホーチミンから長距離バスでダラットへ。
くもり。

チェックアウトの時に昨日頼んでおいた洗濯物を受け取ろうと思ったら、ごめんなさいまだ準備できてないみたいなのー。まじか!!スタッフのお姉さんが様子を見に行く。直後に上の階からゴウンゴウンと音が鳴り始める。ひょっとして今洗ってる…?30分くらいボーっと待っていたら乾燥済みの服を持ってきてくれた。こういう待ち時間も旅だと何だか楽しいから許せちゃう。強烈な洗剤のニオイにむせる。

デタム通りにあるフンチャンバスのオフィスへ。ダラット行きのチケットを見せたら、迎えが来るからここで待ってろみたいなことを言われた。雑居ビルの1階をぶち抜いた待合室で待つ。周りは韓国人の旅行客が数名と、現地の家族連れが何組か。あと訳アリっぽい雰囲気を醸し出す夫婦?カップル?何でちょっと離れて座るんだろう。しばらくするとハイエースが乗り込んできた。これに乗れという。郊外のバスターミナルに向かうシャトルバス。インド人のおじさんと並んで座る。

ハイエースはサイゴン川の水底トンネルを通って2区へ向かう。2区は1区の対岸にあるエリアで、トンネルが開通するまでは渡し船くらいしか渡河手段がなかったという。それが日本からのODAで2011年に開通すると利便性の向上と共に開発の動きが爆発。今この瞬間も高層マンションやオフィスビルがニョキニョキと増殖を続けている。そういえばモンゴルに行った時も、ミャンマーに行った時も、重要な場面では必ずODAの成果物が登場した。日本にいるとODAなんて滅多に意識しないけど、日々の生活のごく一部が、知らない国の、知らない人たちの生活に結構な影響を与えているってことを知った時に、全身の毛穴が開くような形容しがたい気持ちになる。試しに2区の賃貸マンションの家賃を調べてみたら、思ったより高かった。ロードサイドの停留所みたいな場所で降ろされる。ここで寝台バスに乗り換えるらしい。しばらくするとオレンジ色の大きなバスがやってきた。

ホーチミンからダラットまで7時間の移動。寝台バスってどんな感じだろうと思っていたら、車内がボックスで仕切られたネカフェみたいな空間だった。シートを倒せば思いっきり横になれるし、USB付きだから端末の充電ができる。これ凄くイイな、人生で一番快適な長距離バスだ。日本でもこういう夜行バスがあれば良いのに。とは言うものの道がボコボコだからそこそこ揺れる。乗り物酔いする人はダメかもしれない。何度か体が吹き飛ぶくらいの急ブレーキもお見舞いされる。ホーチミンからしばらくは綺麗なハイウェイを走って、その終点から先は国道をドロドロ進む。出発から2時間くらいで最初の休憩。アナウンスがベトナム語だけで何言ってるのか分からず、出発時間も分からず。ドライバーに聞こうと思ったら、ドライバーが真っ先にどこかに行ってしまった。しょうがないのでバスをチラチラ見つつ軽食を食べる。辛めのバインミー20,000ドン。ペットボトルのコカコーラも20,000ドン。コカコーラはどんな場所で飲んでもコカコーラの味がする。ソシアリズムの中のキャピタリズム。

そもそもベトナムは社会主義国だ。その割には今のところ社会主義っぽい体験を1ミリもしていない。けど車窓から景色を眺めていると、赤い旗がはためいていたり、良く分からないスローガンが書かれていたり、労働しよう!みたいな看板が掲げられていたりと日本では見ない光景が広がっている。社会主義の中で暮らすってどんな感じなんだろう。社会主義国特有の、みんな笑顔だけど目が笑っていないベタッとしたイラストが好きだ。

2回目の休憩を終えた後にバスはダラット郊外のバスターミナルに到着。ここからハイエースで宿の前まで送ってくれるという。至れり尽くせり。ミャンマーもそうだったけど、どうしてバスターミナルは郊外に作られるんだろう。あと鉄道駅も。そこからのラストワンマイルにちょくちょく困らされる。ダラットは標高1,500mに位置する高原の街だ。日本でいう軽井沢みたいな場所。雰囲気は全体的に上品で、中心部の湖にはスワンボートが浮かんでいる。建物も全体的に西洋風で、これはかつてこの街がフランス人の手で作られた避暑地だからだという。ホーチミンではあんなに暑くて汗だくだったのに、ここは寒い。9月なのにみんなダウンジャケット着てるし。Tシャツしか持ってきてないから風邪ひかないか心配。宿にチェックインして近くのコムタム食堂でご飯。クラフトビールを飲んで後はダラダラ。