ザリガニを食らう

自由帳//
  1. ホーム
  2. 自由帳
  3. ザリガニを食らう

スウェーデンといえばハッセルブラッド?ボルボ?サーブ?H&M?IKEA?否。ザリガニである。スウェーデンではザリガニを食う。食うのである。8月~9月の間だけ解禁されるザリガニ漁の時期に合わせてスウェーデン人はザリガニを食う。ご家庭でザリガニパーティが催されるのである。ザリパである。ならば我々も食うしかない。ザリガニを食うのだ。ザリガニだ。ザリパを催すのである。

何だかんだ我々にとって馴染みあるスウェーデンの企業といえばIKEAである。そのIKEAでは8月の間だけザリガニが売られている。友人の車に乗ってIKEA船橋へGO。嬉々としてザリガニの顔ハメで写真を撮り、嬉々として食品コーナーへ向かい「ザリガニ・・・ザリガニ・・・」とブツブツ言いながらピックアップ。持ち帰りは1kgの冷凍箱のみ。レストランでもお召上がりになれるよ。レストラン行ったらみんな口からザリガニの足を出していたよ。

2箱買いました。2kgのザリ。既に調理済みの赤々としたザリガニが真空パックで冷凍されてる様子はなかなか荘厳。なんだかブレードランナーにでも出てきそうなビジュアルである。

カンカンに凍っていたので流水解凍。ビニールを開けるとザリガニちゃんがこんにちは。なかなか立派なハサミをお持ちである。こいつらはちゃんと食用として育てられた綺麗なザリガニなのでご安心あれ。幼き頃にドブ川で追いかけ回していた野良ザリたちとは育ちが違うのだよ育ちが。ひ弱そうな国産ザリに交じって色の濃いビッグなアメリカザリがデンと構えていたあの夏の日の光景を思い出す。奴らは本当に赤くて獰猛だった。その佇まいはまるでブロッケンギガントのようで力強い。ブロッケンギガントはフロントモーターで重心が前よりなこともあり無茶な走りをさせてもコーナーで吹き飛びにくいのがウリだったっけ。ブロッケンギガントのシャーシにトライダガーXのボディを移植してブイブイ言わせたあの夏の思い出。ザリガニの夏。ミニ四駆の夏。

ザリパ用のパーティグッズなどというものが売られていたので一緒に購入。壁に吊るす奴が入っていた。影が怖いぞ影が。

ザリガニ帽子である。30歳手前の男が酔っぱらってヘラヘラ笑いながらこれを被ってる光景にはザリもドン引きだろうに。同封されてる前掛けはかなり有用。ザリガニって食べる時に汁が飛ぶんですよ・・・ザリ汁が・・・。

味は、とっても美味しかったです。さっぱりした塩味とディルの香りで臭みとかエグみは全然なくて、でも甘エビとかより肉々しい感じがザリガニっぽくて良い。ハサミの部分はあんまり食べるところがないのでメインは胴体部分。なので意外と可食部は少ないぞ。4人で2kg食べたけど割と余裕。

幼き頃の自分に「君は大人になったらザリガニを食べるんだよ」と教えてあげたら、きっとドブに転げ落ちるかもしれない。我々日本人にとって「ザリガニを食べる」という言葉の禁忌っぷりは相当なものだ。浦安鉄筋家族でバカ春巻がザリガニ食う話を読んで笑い転げたっけ。だけども一方で遥か彼方のスウェーデンでは夏の家族団欒のマストアイテムとされている。スウェーデンではザリガニは立派な食材なのである。そういう異文化をすぐに体験できるって凄いことじゃないかな。凄いぞIKEA。いいぞもっとやれ。

以上、ザリガニ食ったら美味かったって話でした。