突然ですが私はデイリーヤマザキが好きだ。好きなんです。

本当はサークルKが好きだったけど、残念ながらすべてがFになってしまった。セーブオンも好きだけど、もうすぐみんなLに変わってしまうらしいから恋はしないと決めたんだ。セブンはコーヒーが美味いけど、ドミナントだか何だかお高く留まった感じが正直いけ好かない。ローソンはコーヒーの待ち時間が手持ち無沙汰だし後ろのお客さんの視線がちょっと気まずい。会社の最寄がファミマだから何だかんだ頻繁に利用するけど、サークルKを奪われた憎しみは一生消えることがないだろう。

あぁデイリーヤマザキ。コンビニ業界で異色を放つ希望の星。あのちっとも美味くないコーヒーすら愛おしく感じられる。

さて、ここは新潟県上越市。海と山の狭間を抜ける国道8号沿いにある、私のお気に入りのデイリーヤマザキ。日本海の荒波を背に立つ孤高の存在である。

デイリーヤマザキのサインは赤と黄色のツートンカラー。温かみのある赤と黄色、そしてふっくらとしたフォルムはまるで柔らかいパンのようなイメージ。それとは対照的にシャキッとした「Daily YAMAZAKI」のロゴからは、あくまで街のパン屋でなくコンビニであるという力強い主張が感じられる。この野暮ったい感じがイイ。好き。ホント好き。

デイリーヤマザキが最も美しく輝くのは、夕方だと思うのです。紅く燃える夕日に染まる空。そろそろ陽が沈むかなーって頃になると看板の蛍光灯がパチパチッと光って点灯するその瞬間。夕焼けとデイリーヤマザキがひとつになる光景。それを目撃できる幸せ。胸がいっぱい。

ポールサイン。それはまるで陽が沈み、やがて闇に染まる空を照らす灯台のよう。

能登半島の向こうに陽が沈んだ。夜が始まる。

夜の山と海の狭間。デイリーヤマザキは漆黒の闇に包まれる。デイリーヤマザキを照らす明かりは僅かな星の瞬きと、気まぐれな月の揺らぎだけ。この辺りで人工的な光を放つのは、今やデイリーヤマザキだけである。

漆黒の中でふわりと灯るデイリーヤマザキのサイン。長い国道8号を駆け抜けてきたドライバーにとっての心の拠り所であり、安らぎを与えてくれる母なる存在。その温もりに惹かれてか、次から次へと車がデイリーヤマザキの下へと集まってくる。

この日の上越は春の陽気に包まれていて、長く溶けずに残っていた駐車場脇の雪を一気に溶かした。その水面に映るデイリーヤマザキの何と幻想的なこと。

長いあいだ潮風と雪風、そして紫外線に曝されたサインからは老兵の貫禄が滲み出ている。あとどのくらいの間、この場所を照らし続けるのだろう。

さて、ここまで読んだ諸君はきっとこの写真を撮っている奴のことを「ヤバイ」と感じたことだろう。否。何も恐れることはない。大好きな奥さんの瞬間を写真に焼き付けたいように、可愛い愛猫の愛くるしさを誰かに共有したいように、私もまた「美しい」と感じたこの気持ちを伝えたいだけなんです。

デイリーヤマザキ、孤高の存在。

それはセブンよりも温もりがあり、ローソンよりもマイペース。ファミマと違って自分が何たるかをちゃんと知っていて、ミニストップのように子会社に甘んじることもない。異色を放つデイリーヤマザキを、これからも大切にしていこうじゃないか。

ラブフォーエバー、デイリーヤマザキ。